2013年06月の記事 | Tabula Rasa
2013.06.21 Friday

Helter Skelter



天候不順な今日この頃、皆さま いかがお過ごしですか。
湿度があってイヤですが、緑が綺麗な季節になってきましたね。

現在、ブログ内の文字の大きさや文章の配置など、もろもろに異常が発生し、
ブログ全体が読みづらい状況になっているかと思います。
ブログパーツの不具合かパソコンの不調か、
現在、原因を究明中です。
ご迷惑をおかけしてしまいますが、整うまでしばらく時間をくださーい!! 

突如の事態で困ってまーす。。。


ともあれ、皆さま ゆるゆるとお元気で!

        
2013.06.17 Monday

此処に / ゼラニウム



geranium-mitsuki.jpg



        
2013.06.13 Thursday

Ground Ground Round



rainygreeeen-mitsuki.jpg


        
2013.06.12 Wednesday

You don't know / Hydrangea



hydrangea-mitsuki.jpg

        
2013.06.04 Tuesday

ことり / 小川洋子

小川 洋子
朝日新聞出版
(2012-11-07)


装画・オブジェ・・・勝本みつる
撮影・・・松浦文生
装丁・・・田中久子

12年ぶりの書き下ろし作品。

(*以下も敬称略とさせていただきます。)


・・・・・・


先ほど読み終えた。
以下、特別な情報は確認していない、ざっとした感想。


<小鳥の小父さん>と人から呼ばれるある1人の男の人生をゆっくりとひも解いてゆく話。

この本の内容を簡単にまとめれば、おそらくこの1行となる↑ 。
と、文章にしてみて思ったのだけれど、
<>の中の言葉と男か女かを適宜入れ替えてみれば、
どんな人の人生もこんな1行で簡単にまとめられるのかもしれないなぁ。。。

なんて、ぼんやりと宙に浮いたことを考えてしまうような、何とも不思議な作品だった。

・・・・・・

音、という目には見えないものが重要なキーアイテムとなっているのだが、
(自分自身のものも含めての)人間の内面と人生もまた、
誰にも見ることの出来ないものだったのだ、と、改めて気づかされる。

見えている ような、解っている ような、知っている ような、ことで
社会を廻しているにすぎない私たちは、その、<ような>世界にヒビを入れるようなモノが恐ろしい。
そのヒビが闇を呼ぶのか光を呼ぶのか、それがわからないから。


<小鳥の小父さん>という主人公の描き方が自然で、かつ計算されつくしている。
彼の人生はもう幼少期からすでに<小鳥の小父さん>になるべく運命が決められていたかのようで、
<お兄さん>に対して<弟>という表記を用いた箇所の他はすべて主人公は<小父さん>と表記されている。
幼少の頃の話でさえ、「小父さんは六歳になっていた。」(p.21)というような感じで、
結局 「小鳥の小父さんと呼ばれる一人の老人」(p.245)となるまで、
小父さんはずっと<小父さん>なのである。

匿名であり続けることと特定の役割であり続けることが同時に与えられた人生。。。
<小鳥の小父さん>の人生はこの1行でもまとめることができる。

そう考えると、タイトルの『ことり』は小鳥であり、子とり、であるだけではなく、
愛の歌を聞けず歌えずに生きて逝った小父さんの人生の音だったのかもしれない。
誰にも気づかれないような小さなひっそりとした人生がたてた音。  ことり 。

・・・・・・

読後、後味が悪いわけではないが良い気持ちにはなれず正直ちょっと淀んだ。
綺麗な、美しい話、静かな、優しい話 というようなことは思い浮かばず、
ただ、ともかく、さびしい気持ちになった。
けれど暗く嫌な気持ちにはならなかったのはおそらく文章の力だろう。

私は本作で初めて小川作品を読んだのだけれど、文章がとても美しいと思った。
物語の内容に分け入る前に、まずその文章自体の美しさに感動をしたというのは、
私においては池澤夏樹の『スティル・ライフ』(中央公論社、1988年初版)を読んだ以来だった。
(もちろんこれは私においての経験や感動であって、いわゆる世間一般の文学的な評価がどうなのかは分からないのだけれど。。。)

言葉の1つ1つが澄んでいて、
それらが連なって文章となり意味が派生したときにもまだその言葉本来のみずみずしさが保たれていて、
言葉がその意味(人の思惑)に押しつぶされていないような気がする。
で。
そういう文章に出逢うと「日本語が読めてよかったー」と心底思ったりするんだなぁ。。。
誰に対してでもないのだけれど、何となく日本語が母国語であることが自慢な気分になる(笑)。

 
・・・・・・


読んでいて、木のようだ と思った。
しっかりと根をはり、のびやかに枝を広げ、青々と葉を繁らせて、悠々と風にたわみ、天と会話をするような。
<じっとしている>美しさ。
そんな<一本の木>を思い起こさせるような文章を書く人なのだなぁと感じた。


数年前に友人から譲り受けたまま実はイマイチ読む気がわかず、
手つかずだった『博士の愛した数式』の文庫本。
本棚からひっぱりだす。
読みたいと思う。


        
Calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2013 >>
Search this site.
Selected Entries
Categories
Archives
Links
Profile
Search this site.
Others
Mobile
qrcode