2013.04.29 Monday
after
好きな1冊、ではなかったけれど、
今回は初めてアタックが成功したのではないかなー なんて思っています。
集中して読み重ねるにはちょうど良いボリュームで、
何より、読み方を変えてよかったです。
好きでなくても、<私へのメッセージ>が見つけられて受け止められれば
私はそれで十分満足。
キリが無いので、とりあえず読み下し終了。
出来れば、ざっとまとめたいな と思っています。
「 before 」 Tabula Rasa 2013.04.13
2013.04.26 Friday
びりびり / 東君平
東君平(ひがし くんぺい、Kunpei Higashi)
1940年神戸生まれ。
裕福な家に生まれ育つが破産後家族は離散。
16歳で家をでて熱海の写真館に務める。
(この頃の体験や出来事が絵描きとなる動機や作風確立のきっかけとなったらしい。)
1963年に谷内六郎の推薦でデビュー。
1986年に肺炎のため46歳で逝去。
『びりびり』 は1964年に初めて出版した絵本(至光社)。
原書を再構成したものをビリケン出版から2000年に再版。
(*敬称略とさせていただきました*)
◆・・・◆・・・◆
君平さんの作品は、絵も詩もお話も子供のころから大好きだった。
とぼけているような、あったかいような、何ともくすぐったいユーモアが楽しくて、
他の誰かの絵や言葉とはちょっと<違う>感じも子供心にまた良かった。
なので、大人になってまた絵本を手に取るようになり、
人から「東君平さんって早くに亡くなってしまったよね。」と
さらっと言われた時、とても驚いてしまった。
同じく絵本作家のかがくいひろしさんが亡くなっていると知った時も驚いてしまったのだけれど、
その驚きはきっと、彼等の作品群が今も普通に生きているから尚更だったのかもしれない。
(もちろん、若くして亡くなってしまわれたという事実が驚きの一番の理由だけれど。)
「読み継がれる名作」のような感じではなく、
「みんなが大好きな本」として普通に書店や図書館の絵本コーナーで見かけるから、
まさかそれが<今はもういない人>の作品とは思いもよらないのだろうな。
そして「もう新作は読めないのかぁ・・・」という哀しみでその驚きはさらに際立ってしまうのかもしれない。
寂しいことだけれど、でもそういう仕事ぶりって凄いし、
特に子どもに関わるモノとしては理想の形なのではないだろうか。
自分の傍らで、ずーっと子供たちが遊び続けてくれるだなんて。
君平さんは色々な作品を遺された作家さんだけれど、
私にとって印象深いのはその言葉使いと、そしてあの白黒の世界。
『くろねこかあさん』(1990年初版)の形の面白さやお話の優しさも大好きだし、
『びりびり』のこのビート感も堪らないなぁ。
『びりびり』はまず、出だしからぐっとつかまれる。
黒いペエジの真ん中に白く小さい文字が1行。
いちまいの くろいかみを びりびり やぶいていたら へんなどうぶつが うまれました。
びりびりという なまえを つけてあげたら ひとりであるきだしました。
かっこいー! 何がはじまるんだろう。 わくわくしながらペエジをめくる…。
という訳で。
大人になっても遊び続けているのでした。
2013.04.25 Thursday
In My Own Time / Karen Dalton
カレン・ダルトン
LIGHT IN THE ATTIC/OCTAVE-LAB (2007-04-21) |
カレン・ダルトンのセカンドアルバム。
オリジナルのリリースは1971年。
2006年に初CD化。
2007年に未発表のボーナス・トラック収録盤がリリース。
カレンはボーカルの他、12弦ギターとロングネックのバンジョーを演奏している。
◆・・・◆・・・◆
寒くなってきたぞー!…と思う時節から聴く回数が増えるアルバムのうちの1枚。
例年でいえば4月いっぱいはよく聴く感じ。
なので、そろそろちょっとお休み期間に入るかな(笑)。
珈琲や紅茶よりも、スパイスが効いたチャイとかを飲みながら聴きたいと思ってしまうのは多分、
このアルバムがリリースされた頃のヒッピー志向が伝わってくるからではないかと思う。
なので、そろそろちょっとお休み期間に入るかな(笑)。
珈琲や紅茶よりも、スパイスが効いたチャイとかを飲みながら聴きたいと思ってしまうのは多分、
このアルバムがリリースされた頃のヒッピー志向が伝わってくるからではないかと思う。
1曲目の出だしの雰囲気がヴェルヴェッツっぽいのだけれどそれは出だしだけの印象で、
ヴェルベッツのような近寄りがたさはなく、カントリー、トラディッショナル、フォーク、ブルーズ・・・に込められた人の温かみが感じられる1枚。
ジャケットの写真がまた魅力的で、モノの配置や空や道の余白が絶妙にニクいベストバランス。
◆・・・◆・・・◆
ヴェルベッツのような近寄りがたさはなく、カントリー、トラディッショナル、フォーク、ブルーズ・・・に込められた人の温かみが感じられる1枚。
ジャケットの写真がまた魅力的で、モノの配置や空や道の余白が絶妙にニクいベストバランス。
◆・・・◆・・・◆
カレン・ダルトンについては調べても余りデータはない。
ヒットするデータは出典までにたどり着けないものが多く、
その内容も伝説的というかステレオタイプというか・・・。
私としては、彼女が音楽を始めたきっかけやどんな音楽が好きだったのか、などの音楽的ルーツが一番興味があるのだけれど、
そういう内面に深く入った情報にはイマイチ出会えなかった。
もっと手間暇をちゃんとかければ違うかもしれないけれど。。。
(ボブ・ディランとセッションをしている写真などはあるのだけれど、そういう資料的な感じでは無くて・・・・。)
で、少ないデータをザッと拾い集めてみると。。。
1937年オクラホマ生まれ、母方からチェロキーの血を汲んでいたらしい。
ヒットするデータは出典までにたどり着けないものが多く、
その内容も伝説的というかステレオタイプというか・・・。
私としては、彼女が音楽を始めたきっかけやどんな音楽が好きだったのか、などの音楽的ルーツが一番興味があるのだけれど、
そういう内面に深く入った情報にはイマイチ出会えなかった。
もっと手間暇をちゃんとかければ違うかもしれないけれど。。。
(ボブ・ディランとセッションをしている写真などはあるのだけれど、そういう資料的な感じでは無くて・・・・。)
で、少ないデータをザッと拾い集めてみると。。。
1937年オクラホマ生まれ、母方からチェロキーの血を汲んでいたらしい。
1968年にファースト・アルバム、翌年にこのアルバムをリリースしているが
人前で唄うことや録音をすることを余り好まなかったらしい。
アルコールとそしてドラッグを手にしてしまったらしく、
結局このセカンドアルバム以降の音楽活動についてはわからない。
2度の結婚をし子供ももうけたらしいが2度とも破局に終わり、1993年に55歳で亡くなったそうだ。
その人生の終わりについては、貧困のなかエイズの闘病後に路上で逝去した・・・と暫くの間伝えられていたのだけれど、最期の頃はギタリストのPeter Walkerの元に身を寄せていた、というのが本当らしい。
伝説ってそれっぽいけど実はいい加減だなーなんて笑ってしまうし、何よりも寂し過ぎる最期ではなくて良かったなーなんて勝手に安心してしまった。
◆・・・◆・・・◆
人前で唄うことや録音をすることを余り好まなかったらしい。
アルコールとそしてドラッグを手にしてしまったらしく、
結局このセカンドアルバム以降の音楽活動についてはわからない。
2度の結婚をし子供ももうけたらしいが2度とも破局に終わり、1993年に55歳で亡くなったそうだ。
その人生の終わりについては、貧困のなかエイズの闘病後に路上で逝去した・・・と暫くの間伝えられていたのだけれど、最期の頃はギタリストのPeter Walkerの元に身を寄せていた、というのが本当らしい。
伝説ってそれっぽいけど実はいい加減だなーなんて笑ってしまうし、何よりも寂し過ぎる最期ではなくて良かったなーなんて勝手に安心してしまった。
◆・・・◆・・・◆
ボブ・ディランが自身の自伝(『Chronicles,Volume One』)において彼女のことを「ビリー・ホリディのように歌いジミー・リードのようにギターをひく」と言っているのだけれど・・・。
んー、私にはビリー・ホリディと結びつけられなかった。
んー、私にはビリー・ホリディと結びつけられなかった。
まず、ビリー・ホリデイはなんというか、
「その存在の全てが<ビリー・ホリデイ>」というようなイメージが私には多分あって、
歌声だけをとりだして彼女を考えることが出来ないのかもしれない。
同じく、ニーナ・シモンの唄声に似ていると言われてもいるのだけれど、
やはりニーナ・シモンも私にとっては「ニーナ・シモン」という不動のイメージがあって、
これまた今いちピンとこないのだなぁ。。。
ただ、ビリー・ホリディにもニーナ・シモンにもある、
<聴く人の心を揺さぶるドライな感傷>、みたいなものを感じるのは通じている気がする。
◆・・・◆・・・◆
実は私は別のある人をなぜか直ぐに連想してしまった。
私が連想したのは、ユタ・ヒップ(Jutta Hipp, 1925-2003)。
といっても、ユタ・ヒップはジャズのピアニストでボーカリストではない。
ので、あくまでも私だけの連想でしかありませんねー。
きっと余り賛同を得られないのではないかなー。。。(笑)
連想のキーワードは、
「僅かな作品」+「無骨で繊細」+「女性ミュージシャン」。
この場合、「無骨で繊細」というキーワードが私にとってとても重要。
無骨で繊細、ウェットでドライ、男性的で女性的、シンプルで複雑、危なげに熟成。。。
そういう<相反した魅力>がカレン・ダルトンの魅力なのだと思う。
◆・・・◆・・・◆
例えばこのアルバムのように、
細くではあるけれど長く、ずっと残り続けるモノというのがあって、そういうのって面白いなぁと思う。
結局<個性>というものは、メインに属しているかでも、スペシャルに秀でているかでもなく、
オウンに根差しているかでその真価が問われるのかもしれない。
「その存在の全てが<ビリー・ホリデイ>」というようなイメージが私には多分あって、
歌声だけをとりだして彼女を考えることが出来ないのかもしれない。
同じく、ニーナ・シモンの唄声に似ていると言われてもいるのだけれど、
やはりニーナ・シモンも私にとっては「ニーナ・シモン」という不動のイメージがあって、
これまた今いちピンとこないのだなぁ。。。
ただ、ビリー・ホリディにもニーナ・シモンにもある、
<聴く人の心を揺さぶるドライな感傷>、みたいなものを感じるのは通じている気がする。
◆・・・◆・・・◆
実は私は別のある人をなぜか直ぐに連想してしまった。
私が連想したのは、ユタ・ヒップ(Jutta Hipp, 1925-2003)。
といっても、ユタ・ヒップはジャズのピアニストでボーカリストではない。
ので、あくまでも私だけの連想でしかありませんねー。
きっと余り賛同を得られないのではないかなー。。。(笑)
連想のキーワードは、
「僅かな作品」+「無骨で繊細」+「女性ミュージシャン」。
この場合、「無骨で繊細」というキーワードが私にとってとても重要。
無骨で繊細、ウェットでドライ、男性的で女性的、シンプルで複雑、危なげに熟成。。。
そういう<相反した魅力>がカレン・ダルトンの魅力なのだと思う。
◆・・・◆・・・◆
例えばこのアルバムのように、
細くではあるけれど長く、ずっと残り続けるモノというのがあって、そういうのって面白いなぁと思う。
結局<個性>というものは、メインに属しているかでも、スペシャルに秀でているかでもなく、
オウンに根差しているかでその真価が問われるのかもしれない。
人の身体で一番最後まで機能するのは聴覚だと聞いたことがある。
さすらいの果てに逝ったという彼女の身体には最期にどんな音が聴こえていたのだろう。
安らぎと自由の音であって欲しいと、時を超えた空の下から願う。
さすらいの果てに逝ったという彼女の身体には最期にどんな音が聴こえていたのだろう。
安らぎと自由の音であって欲しいと、時を超えた空の下から願う。
2013.04.17 Wednesday
思い出す / 山吹
山吹 やまぶき。 好きな花です。
子供の頃に母の漕ぐ自転車の後ろに乗りながら
道沿いに咲く山吹の花を見た記憶がある。
幼稚園の行き帰りの道だったと思う。
きれいだなー とか思ったのかな。
何故だかともかく鮮明に覚えている。
あの街はいまどんな風景になっているのだろうか。
山吹は今も咲いているかな。
子供がそれを見つめていたりするかな。
あ。そういえば。
もうすぐ母の誕生日だ。
2013.04.16 Tuesday
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 / 村上春樹
『1Q84 BOOK3』(新潮社)以来3年ぶりの書き下ろし長編小説。
装画 ・・・モーリス・ルイス ( Morris LOUIS )
装丁 ・・・大久保明子
(*以下も敬称略とさせて頂きます*)
◆・・・◆・・・◆
まず最初に。
まだ、出版されて日が浅くこれから読もうとされている方もいらっしゃるかと思うので、
あらすじや内容に関することは記さないこととします。
どのような背景をもって執筆されたのかを調べてはなく
(本の帯に「著者インタビューより」という文章があったけれどあれはどこからの引用なのだろう?)、
発表後の巷の評判がどのような感じなのかも調べてはいない状態での、
あくまでも、<この本を読んだ私の感想> となります。
「これからこの本を読むぞー」というようなエントリを先日したので一応、読後のご報告。
んー・・・気が乗らないので、ざっと、手短に。
◆・・・◆・・・◆
まず。
謎めいた告知ではなく、もっと普通に出版のお知らせをして欲しかったなぁ。
「村上春樹の描き下ろし新作」「内容は一部にしか明かされておらず」のような感じで、
まぁ、それは楽しみにもなるのだけれど意味深な演出感が好きじゃなかった。
ただ、タイトルが不思議で訳がわからなかったのがとっても面白かった。
(初めてみたときは一瞬回文かと思ってしまった。)
話を読んでみたら1ペエジ目の1行目でその意味がわかったし、
内容も結局タイトルのそのまま。
可笑しくて、1本取られたという感じ。
でもなー。。。
本の帯の色は黒。そこにピックアップされた文章もやけに意味深。
黒い紙に白い文字で
「良いニュースと悪いニュースがある。」
ってあれば、普通、重々しくて謎めいた印象を受けると思う。
全く違うとは言わないけれど、読んでみると話はそこまで特別な重みは無いのだけどな。
むしろ後半に向けては、カジュアルに颯爽とした空気さえ流れているように感じた。
そのギャップが想定されての<売り>なのかもしれないけれど、
予想を裏切られた爽快さよりも楽しみを吹き消されたつまらなさを受けた。
(勿論、私の場合は、なのだけれど。)
なんだか刊行されるまでの流れなどが、まるでRPG(ロールプレイングゲーム)みたいだと感じた。
そういうライヴ感はそれはそれである意味面白くて結構好きなのだけれど、
読んでみたら、前フリでまとっていた雰囲気とは全く違う質感の作品だったので、
がっかりというか、面白くない気分にさせられた。
◆・・・◆・・・◆
読み終わって思ったのは、
<村上春樹>を軸として読むのならば面白いかな、と。
主人公が自分のことを「おれ」と言っていたり、
文章の表現もいつになく<正直>な気がした。
すごく変な感想だとは思うのだけれど、恋をしたのかな、なんて思った。
だって何だか、世界(もしくは生きるということ)に対して<優しさ>が感じられるのだもの。
とはいえ、私は<作家>を軸としてではなく、
その<作品>の世界だけでまずは読みたいと思っているので、
さて、<私の感想>はといえば。。。
小説として、自分の好きな感触はなかった。
別に好きでなくても興味があれば本は読むのだけれど、
「村上春樹の新作」という興味が無ければ、
私の場合この本を手にとらなかったし、読み通さなかったと思う。
テンションの高いエピソードが次々と乱立したままに話が終わった感じがした。
ということで、
私が<新しい1冊>に出逢うのはまだ先のこととなりました。
2013.04.13 Saturday
before
金曜日、朝から晩までバタバタしていました。
帰宅途中、偶然立ち寄った書店に平積みされていた村上春樹の新刊。
『色彩を持たない
多崎つくると、
彼の巡礼の年』
ぅア、今日が発売日だったんだー。。。知らなかったー。。。
ということで。
ちょっと照れ臭かったのだけれど発売日に買ってきました。
(*以降も敬称略とさせていただきます*)
◆・・・◆・・・◆
<新作>を読むことを楽しみにしていました。
理由は2つあって、1つは、
自分の<村上春樹の読み方>が変わってきそうな予感があるということ。
村上春樹の作品には、毎回何ともいえない違和感を感じていたのだけれど、
なんだか今回はイケそうな気がしているのです。
別に感動したいとか納得したいとか思っている訳では無くて、
例えれば、
登山ルートを変えてアタックしようとしているような感じ。
きっかけは『ねむり』を読んで気付いたことがあったからなのだけれど、
このことについてはまた改めて・・・。
もう1つの理由は、
<待っていた>から。
3.11の、あの震災とあの原発事故以来、
言葉による<新作>に巡りあうことをずっと待っていた。
私にとって待ち望んでいたのは、村上春樹と伊藤計劃による新作で、
伊藤計劃はもう逝ってしまっているから、
村上春樹、しかいなかった。
だから今 すごくどきどきしています。
情報はまったく入れずにいて、本のコメント入り帯もすぐさまはぎ取ったから
万全のサラな状態! よしッ!
読後どんな感想を持つか全くわからないけれど、
少なくとも言えることは、
読後の私は、読む前の私ではない ということ。
井戸は見つかったので では
行ってきまーす。
「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです / 村上春樹」 Tabula Rasa 2011.02.09
2013.04.02 Tuesday
予感
あぁ もう いつの間にやら四月でした。
新しくはじめることはありますか。
私はありますよ。
結構本気ですよー。
今年はなんだか良いことも良くないことも色々ありそうな気がしています。
(よくないこと、なんて不吉だけれど、でも仕方ない。)
あぁ もう いつの間にやら四月でした。
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