Maiden Voyage / Kelee Patterson
Kelee Patterson(ケリー・パタースン)のファーストアルバム。
アルバムタイトルであり収録がされている「Maiden Voyage 」はもちろん、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)の曲で、作詞はその後に彼の奥さんとなるJean Harvey(ジーン・ハーヴェイ)によるもの。
(『SPEAK LIKE A CHILD』のジャケット写真のシルエットは恋人時代の2人だそう。)
オリジナルは1973年にリリース。
◆・・・◆・・・◆
聴いてみたいと思っていてなかなか聴くことが出来なかったアルバムだった。
雑誌などで時々組まれる「好きなアルバムはなに?」というような質問に対してこのアルバムを挙げている方が時々いらっしゃって、それを見かける度に聴いてみたいのだけどなぁ〜・・・とずっと思っていた。
なぜ興味を持ったのかは覚えていないのだけれど、多分ジャケットの雰囲気に魅かれたのだと思う。モノクロで、なんとも言えない<今は出せない雰囲気>を感じたのだ。(実際手にしてもそう感じた。)
で、何年か前にやっと中古で手元にやって来た。以来、気に入って聴いている。
柔らかく澄んでひんやりとした唄声で全体的にヒソヤカな印象。フルートが効いてきて気持ちよく、夏や秋の初めに聴くことが多いかな。
全部で8曲収録されていて、「Maiden Voyage 」は1番長くて5分ちょいあるのだけど、それ以外の曲は大体3分代。シンプルでとても聴きやすく、気がつくと良い気持ちで1枚を聴き終えている。
因みに、私が1番好きな曲は最後の曲で1番短い1分47秒。さわやかなのだけれどちょっと寂しげで好みのテイスト。
ケリー・パタースンについては、調べてみてもイマイチちゃんとした情報がまとまらない。
おそらくこのアルバム以外に3枚くらいはリリースしているようだが(違ったらごめんなさい)、このアルバムが1番有名だしこのアルバムで知られているシンガーではないだろうか。
ジャケット写真裏の英文ライナーやCDのライナーノーツからその経歴を拾えば(同じことが書いてあるのだけれど)、16歳でプロシンガーとして歌い始め、アフリカ系アメリカ人として初めてミス・インディアナに選ばれ1971年のミス・アメリカ候補にもなったそうだ。テレビ番組のホステスも務めていたらしい。
・・・華やかな経歴でなんか勝手にちょっと意外な気がした。
◆・・・◆・・・◆
このアルバムは何だかとても不思議で個性的というよりも<独特>な気がしている。
それを気づかせてくれたのは友人の一言だった。
ある時、このアルバムを一緒になんとなーく聴いていた友人が聴き終えて一言 「 ・・・この人さぁ、唄うまいのかなぁ?」 とつぶやいた。
そう、そうなのです。
私が初めてこのアルバムを聴き終えた時の印象はといえば、実は「これでおわり?」。
んー、変な感想だなぁ(笑)。
それは別にがっかりしたからではなく古臭いとも感じなかったので、曲の長さが短かくて物足りないのかと思っていたのだけれど、友人のつぶやきを聞いて霧が晴れた気がした。
別にいわゆる<下手ウマ>ではなく、例えばウィスパー・ヴォイスのような<雰囲気がある>とかいった感じでもなく、何だか 「・・・この人、唄うまいのかなぁ?」 という感想が私にはとても凄くぴったりとハマッタ感想だった。
そしてでも、 「うまくないよね」 では決してないのよね。
<上手・下手>って何だろな。というか、<魅力>って何なのでしょうね。
上手でなくても凄くなくても個性的でなくても良いな。
魅力的なものが私は好き。
マンザナーとチェコ : Manzanar & Czech Republic
以下、記録としての雑感となります。
先日、天気予報が観たいなぁと思ってテレビをつけたらそれはもう終わっていて、ちょうどドキュメンタリ番組が始まったところだった。 なんだろな、と思って観始める。
こうして次の時間の天気予報も観損じてしまう、ということをよくやってしまうのだけれど、やはりその夜もそうでした。。。
でも、深く引き込まれてしまった。観ることができてよかったと思っている。
・・・と、結果オーライでまとめてしまうということもよくやってしまうのだけれど。。。(笑)
観た番組はBS特番 『 砂漠の中の日本庭園 アメリカ・戦時収容所 日系人の戦い マンザナール収容所 』。
全く知らないことばかりだった。
こんなことがあったんだ・・・と観ているうちに画面にでてきた資料写真に「あれ・・・」と記憶がひっかかる。
あれ、これ知っている・・・。
番組が終わって確認。
ひっかかったのは宮武東洋 (みやたけ とうよう。1895-1979) の写真だった。
◆・・・◆・・・◆
私がその写真を見たのは今年の6月。東京都写真美術館でおこなわれていた写真展にて。
展示にて見たマンザナー収容所の写真は Dorothea Lange (ドロシア・ラング。1895-1965)の撮影したものも含めて計5枚。
( Manzanar ・・・マンザナー、マンザナールと表記される。ここでは表記の使用として多くみられるマンザナーを使用。語源はスペイン語の「リンゴ園」らしい。本来はマンサナルとなるのかなぁ??外国語の表記は難しいな。発見があって面白くもあるけれど。)
<日系人収容所> という言葉は何となく知ってはいたのだけれど、どういうものかをよく知らなかった。なので写真展で見た際に、「どういった背景や状況の写真なのだろう」という疑問がわいた。
というのも、子供達のいるのどかな光景なのだけれど、風景としてあるその<背景>をよくみてみると、広大な荒野に簡素な同型の住居が立ち並び、見張り塔があって鉄条網がはりめぐらされていたりするのだ。
けれど、それでその後に調べてみるということは特別にはしなかったし、しようとも思いもつかず、購入して帰ったカタログを見るときにもカタログ内の1枚としてそれ等を見ていた。
で、今回のドキュメンタリ番組と写真がつながったことによって興味が立ち上がり、マンザナーを軸として日系人収容所について調べてみてみたのだけれど。。。本当に知らないことばかりでまさに<きりがない>。
1個調べると10個くらい知らない(わからない)ことが浮上してきて、ようやっと10個について調べてもまた新たな疑問が2個が出てくる、といった感じ・・・。 ふはぁ〜。。。
◆・・・◆・・・◆
そして更に、実はマンザナーの前に、もうひとつ急に興味がわいて調べていたのが、チェコについて。(現在も調べている途中。)
さかのぼればこれまた写真美術館にて、Josef Koudeluca (ジョセフ・クーデルカ、チェコ語による発音では ヨゼフ・コウデルカ。1938〜) の展示を見たことから始まっていたのだけれど、その後にある本を読んだことが直接的なきっかけ。
チェコという国についてもまたほぼ全く知らないことばかり。で、これまた同じく<きりがない>。
まぁー まるでカマキリの卵が孵化したかのように、わしゃーっと解からないことがいっぺんに出てきましたよ〜(苦笑)。 うッひゃー。。。
これまで色々知らなかったのか、ひっかからなかったのか。
もとい、私の興味と知識が不足していて自分の内にある知っている事柄をつなげることが出来なかったのだろう。
人について、歴史について、知らないことばかりだと痛感する今日この頃。
手持ちに許された時間と自由には限度があるので思いつくままに手を広げることは出来ないけれど、あるひっかかりを感じた時は<それ>は自分に必要な<何か>を伝えようとしてくれているものなのだと、素直に受け入れ丁寧に能動的に取り組んでゆけたらと思います。
行動的でも体力に自信があるわけでもなく、根気とインスピレイションがあるわけでもないワタクシ・・・、気負わず柔らかくいきますかね。
でも、興味と集中力が続くうちにやらないとイカンのよね、私のようなタイプは(笑)。
宮武東洋とジョセフ・クーデルカについてはまた改めて。。。(出来るかな。)
長々と失礼いたしました。けれどゴチャゴチャが少し整理されて助かったな。
天候不順な今日この頃ですね。みなさんお身体お大事にお過ごしください。
ジョセフ・クーデルカ プラハ 1968/東京都写真美術館(Tabula Rasa 2011.11.09)
クエイ兄弟 ファントムミュージアム The Quay Brothers PHANTOEM MUSAEUMS (Tabula Rasa 2016.09.03)
ミュシャ展 / 国立新美術館 (Tabula Rasa 2017.06.01)
チャペック兄弟と子どもの世界/松濤美術館(Tabula Rasa 2018.06.04)
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