2010.06.30 Wednesday
夢からさめると、
空き地で見つけたベニボシカミキリ。
記念にイラスト(貼り絵)とホンモノのツーショット。
無駄のないフォルムが綺麗。
つくづく、命って不思議だなぁ…。
さて、私が虫を見るといつも思い出すのが、フランツ・カフカの『変身』(1915年発表)。
映画『蝿男の恐怖』(1958年)もよぎりますが、やはりカフカの描く世界にはかないませんねー。
因みに、映画はリメイクもありましたよね。
『ザ・フライ』 と 『ザ・フライ2』。
『ザ・フライ』は、ジェフ・ゴールドブラムの演技がまた見ごたえがあって、異形の怖さよりもその哀しさを感じさせられました。
さすがクローネンバーグ監督…!!
『ザ・フライ2』は、嫌いではなかったけれど私にはホラー色が強くて、鑑賞後の後味がちょっとよくなかった記憶があるかなぁ。暫くして夢に出た気がします、恥ずかしながら(笑)。
で、さてさて、カフカの『変身』。
簡単に言ってしまえば、ともかく「怖い作品」ですね…。
それはやはり、虫になってしまうという無情の恐怖と絶望を超えた先に、「人間こそが恐ろしい」という底なしの暗闇が口を開けて描かれているからではないでしょうか。
と、これも簡単に言えることだけれど。
そしてまた、まだまだ懲りずに簡単に言う訳ではないけれど、暗闇を表現をする、ということはとても難しい作業であると思います。
何故ならば、自らその闇の中に入り、そして必ずそこから帰って来る、ということが必要だろうから。入る勇気と進む意志、そしてそれをまとめる柔軟性がなければ途中で倒れてしまうのではないでしょうか。
< ある朝、グレゴール・ザムザがなにか胸騒ぎのする夢からさめると、
ベットのなかの自分が一匹のばかでかい毒虫に変わってしまっているのに気がついた >
『変身』 (フランツ・カフカ作 山下肇/訳 岩波書店 より)
何度読んでも印象的な書き出し。
この設定をもしかして思いついた人は他にもいたかもしれない。
けれどそれを、書き進める人、書き上げる人、が凄いんですよね。。。
カフカの有名なアフォリズムの一節がよぎります。
< すべての人間の犯す過ちは焦りのせいだ。
方法づいたものを早々と放棄して、もっともらしいものをもっともらしく指してみせる。>
(『ノート2・掟の問題 カフカ・コレクション』より 池内紀/訳 白水社)
嗚呼、正に、で痛い…。
カフカについてはまた改めてまとめられたらと思います。
2010.06.27 Sunday
rain drop tear drop
涙というものは、人間以外のほかの動物も流すものではあるけれど、
それが「悲しい」とか「嬉しい」などという<感情>からの場合もあるのはやはり人間だけなのだろう。
だからまた、涙というものについその<意味>を想像してしまうのも人間だけだろう。
私はその時に間に合わなかったのだけれど、父は最期に涙を流して逝ったらしい。
それは例えば海がめが産卵をするときに涙を流すように、おそらく既に身体のあるひとつの反応でしかなかったのだろうけれど、そうと判ってはいても未だにふと<それ>について考えるときもある。
そう言えば、<考える>というのも人間だけがすることなんだろうなー。
2010.06.25 Friday
檸檬
檸檬。
で、まず思い出すのはやはりあのさわやかな香りでしょうか。
そして、きゅーっとしたすっぱさと、ぺかっとした色と、つるぼこっとした形。
個性的なそれ等をもってしても、メインにはならず、けれど鮮やかな印象を残してゆく…。
なんとも心憎い優しさと洗練。
なーんて、檸檬について考えてたら、
あぁ なんだか耳の下あたりがすっぱくなってきました…。
2010.06.24 Thursday
羽飾り
緩い坂を上ると、ふわっと、描かれたかのような影が。
いたずら好きのサプライズギフトという感じ。
ふと思い出しては気持ちが柔らかくなり、優しい午后となりました。
こういう何気ないことや瞬間に、
実はとても助けられて私は過ごしているんだなーと最近よく思います。
2010.06.23 Wednesday
梅雨の夜長
何の予告もなく、特別な理由もなく、友人が本を送ってくれました。
お友達が作ってくださったというブックカバーも添えて。
早速手にとったのだけれど嬉しい気持ちで集中出来ず、
読んだふうでただ頁をめくっていただけでした…(笑)。
明日からはちゃんと読みます!
ウレシカッタヨアリガトネ。
2010.06.21 Monday
石かわ珈琲 :01 / 北鎌倉
ある雑誌の写真を見てその雰囲気に魅かれ、行ってみたいなーと思っていた「石かわ珈琲」さん。
なかなか行けず、先日やっと行ってきました。
JR横須賀線の北鎌倉駅から降りて、徒歩15分。
というとまぁその通りなのですが、円覚寺を通りすぎ、明月院も過ぎて、更にやや細くひっそりとした道を直進してゆくとたどりつきます(横道はありません)。
方向感覚に自信のない私は「あれ、この道で平気だよなー…」と思った頃にお店の看板を見つけたので結構嬉しかったです。
お遍路さんが目指すところを見つけた時ってこんな感じかなーなんて思ってもみたり(笑)。
そして、最後にお楽しみ難関?
よい感じに苔むした石段を33段あがって、いよいよお店に到着致します。
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