色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 / 村上春樹 | Tabula Rasa
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2013.04.16 Tuesday

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 / 村上春樹

 
『1Q84 BOOK3』(新潮社)以来3年ぶりの書き下ろし長編小説。

装画 ・・・モーリス・ルイス ( Morris LOUIS )
装丁 ・・・大久保明子


(*以下も敬称略とさせて頂きます*)




・・・・・・



まず最初に。 
まだ、出版されて日が浅くこれから読もうとされている方もいらっしゃるかと思うので、
あらすじや内容に関することは記さないこととします。

どのような背景をもって執筆されたのかを調べてはなく
(本の帯に「著者インタビューより」という文章があったけれどあれはどこからの引用なのだろう?)、
発表後の巷の評判がどのような感じなのかも調べてはいない状態での、
あくまでも、<この本を読んだ私の感想> となります。

「これからこの本を読むぞー」というようなエントリを先日したので一応、読後のご報告。
んー・・・気が乗らないので、ざっと、手短に。


・・・・・・


まず。
謎めいた告知ではなく、もっと普通に出版のお知らせをして欲しかったなぁ。
「村上春樹の描き下ろし新作」「内容は一部にしか明かされておらず」のような感じで、
まぁ、それは楽しみにもなるのだけれど意味深な演出感が好きじゃなかった。

ただ、タイトルが不思議で訳がわからなかったのがとっても面白かった。
(初めてみたときは一瞬回文かと思ってしまった。)
話を読んでみたら1ペエジ目の1行目でその意味がわかったし、
内容も結局タイトルのそのまま。
可笑しくて、1本取られたという感じ。

でもなー。。。
本の帯の色は黒。そこにピックアップされた文章もやけに意味深。
黒い紙に白い文字で
「良いニュースと悪いニュースがある。」
ってあれば、普通、重々しくて謎めいた印象を受けると思う。
全く違うとは言わないけれど、読んでみると話はそこまで特別な重みは無いのだけどな。
むしろ後半に向けては、カジュアルに颯爽とした空気さえ流れているように感じた。
そのギャップが想定されての<売り>なのかもしれないけれど、
予想を裏切られた爽快さよりも楽しみを吹き消されたつまらなさを受けた。
(勿論、私の場合は、なのだけれど。)

なんだか刊行されるまでの流れなどが、まるでRPG(ロールプレイングゲーム)みたいだと感じた。
そういうライヴ感はそれはそれである意味面白くて結構好きなのだけれど、
読んでみたら、前フリでまとっていた雰囲気とは全く違う質感の作品だったので、
がっかりというか、面白くない気分にさせられた。


・・・・・・


読み終わって思ったのは、
<村上春樹>を軸として読むのならば面白いかな、と。
主人公が自分のことを「おれ」と言っていたり、
文章の表現もいつになく<正直>な気がした。
すごく変な感想だとは思うのだけれど、恋をしたのかな、なんて思った。
だって何だか、世界(もしくは生きるということ)に対して<優しさ>が感じられるのだもの。


とはいえ、私は<作家>を軸としてではなく、
その<作品>の世界だけでまずは読みたいと思っているので、
さて、<私の感想>はといえば。。。

小説として、自分の好きな感触はなかった。
別に好きでなくても興味があれば本は読むのだけれど、
「村上春樹の新作」という興味が無ければ、
私の場合この本を手にとらなかったし、読み通さなかったと思う。
テンションの高いエピソードが次々と乱立したままに話が終わった感じがした。


ということで、
私が<新しい1冊>に出逢うのはまだ先のこととなりました。


        
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