あおのじかん / イザベル・シムレール | Tabula Rasa
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2016.07.22 Friday

あおのじかん / イザベル・シムレール

イザベル・シムレール
岩波書店
(2016-06-29)

 

オリジナルタイトル…『HEURE BLEUE』(2015)

日本語訳… 石津ちひろ(Chihiro Isihizu)

 

イザベル・シムレール ( Isabelle Simler、フランス生まれ )

 

ストラブールの美術学校出身。絵本作家、イラストレーターとして活躍。アニメーション作品にも関わる。絵本の作品はほかに『Plume(はね)』(2015)『Cette nuit-la...au musee (Night at the Museum) 』(2016)など多数(現在の時点ではこの作品以外は全て日本語未訳)。

 

作者のデータを知りたくてHPを覗いてみたところフランス語でイマイチよく解らず(泣)。切手の図柄、ワークショップらしき模様、デッサン画、などが見られる美しいHPなので、ご興味を持たれた方は遊びに行かれてみてはいかがでしょうか。

 

http://isabellesimler.com/

 

(*敬称略とさせていただきました*)

 

 

◆・・・・・・◆

 

今月に入って毎夜、一人ほわんと眺めている絵本。

青という色は、色々な感情を広く深くすくい、そして映し出してくれる色なのかもしれない。悦び、哀しみ、希望、後悔、孤独、旅立ち、自由、癒し、涙。。。

不思議な色だなぁと思う。可視光線として青が一番波長が短く強いエネルギーを持っていて、角膜や水晶体に吸収されないで網膜まで到達するから人の心象(脳)にも強く影響するのかなぁ。なんていう理由はロマンティックではないか…。

 

この絵本に描かれている「あおのじかん」とは「おひさまがしずみ よるがやってくるまでのひととき」のこと。夕刻のマジックアワーも終わった、闇へ滑り込む前の、あの ひととき、だ。

 

 

◆・・・・・・◆

 

たくさんの動植物が登場するがストーリーは特にない。コバルトヤドクガエル、ブルーレーサー、モルフォチョウ、ルリツグミ、ヤグルマギク・・・。青みをおびたモチーフたちによる美しい色とデザインが創り出す「あおのじかん」に読む人は自分の心をそっと自由に映し出してゆく。

最初は淡い水色だった背景の空や水はペエジをめくるごとにだんだんと色濃くなり、ゆっくりと青になって、やがて群青となり…そして闇の漆黒へと変わりゆく。

 

私が好きなのはシロナガスクジラのペエジ。想像をしてみる。僅かな月明かり。光る黒い海。動く空気。ゆっくりと泳ぐクジラ。潮の匂い。波打つ音・・・。

ラストペエジにはそれまでに登場したみんなが夜を迎え入れ、月を見つめ星空に包まれている。美しいシーン。

 

その美しい世界に人間はいない。赦されていないから。あなたと私は、本当の楽園を知ることは出来ないのだ。

だから私は想像をしてみる。みんなと迎える、やさしい夜を。

 

 

 

        
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