見るモノ<展示・建物>:Exhibition& Architecture | Tabula Rasa
2018.02.01 Thursday

世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦 / 板橋区立美術館

 

 

 

 

「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦

   / Beautiful Books Can Change the World:The Universe of Tara Books,India」

 

at. 板橋区美術館 (2017.11.25-2018.01.08 )

 

美術館内エントラス近くの掲示版ポスターをパシャリ↑

 

********

 

タラブックス(TaraBooks)

 

南インド・チェンナイのティルヴァンミユール (Thiruvanmiyur) という小さな町にある出版社。1994年創設。

ギータ・ウォルフとV・ギータという2人のインド人女性が中心となり少ない従業員により出版活動をおこなう。

仕掛け絵本や写真集など色々な種類の書籍やインド以外の国の作家の作品も出版をしているが、ハンドメイドの絵本が特に注目をされている。

そのハンドメイドの絵本とは… ハンドメイドペーパー、インドの民族画家による絵、シルクスクリーンで刷られ、製本は1冊ずつ糸で製本。1冊ごとにシリアルナンバーが施される。


『夜の木 (The Night life of Trees)』(2006年)、『水の生きもの (Waterlife)』(2011年)は、ボローニャ国際絵本展など多くの場で高い評価を受け、沢山の言語で翻訳版が出版されている。

ワークショップや講演会などを行うと共に、絵本の刷り損じを使って作るノートブック「Flukebook」などのステーショナリーも制作・販売をし、これらの売上は若い印刷職人たちの学習・自立支援の資金として使われている。

 

http://tarabooks.jp/ 

https://tarabooks.com/

 

(*データは2018年2月現在のもの。以下も敬称略とさせて頂きます*)

 

・・・・・・

 

「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦 」展。

行ったのは1月…。という訳で、いつもながらの安定のタイムラグ・ポスト…。

 

もう終わってしまっているなぁと思っていたら何とまだやっていたので会期ぎりぎりに鑑賞。

館内において全ての作品への写真撮影の許可がされていたので数枚をこそっと嬉しく撮らせて頂いた。

あくまでも私の感想なのだけれど… 閉館間際だったので人は少なかったのだけれど、美術館内での写真撮影ってするのもされるのもやっぱり気が散るなぁと反省した。撮影OKなエリアや作品がしっかり限定されている方がありがたいかなぁ。

 

 

 

 

 

『夜の木』(『The Night Life of Trees』2006年)

(写真 …原画。ガラスのショウケース内のダミー本。)

 

絵/ バッジュ・シャーム、ドゥルガ・バーイ、ラーム・シン・ウルヴェティ

文/ ギータ・ウォルフ、シリシュ・ラオ

日本版… タムラ出版、2012年、訳:青木惠都

 

 

・・・・・・

 

タラブックスについては実はよく知らず、作品を見たり手に取ったりしたのがまず今回の展示で初めて。

魅力的な作品に出会えてとても面白かった。そしてその経営スタイルがまたとても素敵で、ごく普通に、新しく、進んでいく、って凄いことだなぁと改めて思った。

 

タラブックスの本達がもつ美しさは、特別なセンスや抜きん出たアイディアなどの「余剰」からではなく、歴史というルーツや生活というリアルという、人として生きていくための「必要」から生み出されていることによるのではないかと感じた。つまり、確かな土台があってこその美しさなのだと思う。

そのブレの無さが、現在の市場に出回っている相対的な評価でしか存在をしにくいモノたちの美しさに飽きて疲れてしまった人たちにとって、忘れていて求めていたもの なのだろうなぁ。余計なものがないシンプルな絶対感に、ある種の憧れのような感覚を覚えるのかもしれない。

なんて、小難しいことをちょっとだけ思ってみた…。

 

 

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今回の展示で私が特に興味をそそられた作品が2つあって、まずはポトウと呼ばれる絵巻物↓。

絵巻なのだけれど日本の絵巻とは違って縦にストーリーが進み、場面がワンシーンごとに区切って描かれている。紙芝居が縦に続いて巻物になっているような感じで、町で読んでいる参考映像を鑑賞できたのもとても面白かった。

併せて、紙芝居って動きを持って場面が切り替わるという行為がとても重要な役割を担っているのだなぁと再認識もした。

 

 

 

 

日本と太陽の感じが違うのかな、色味が新鮮。構図も力強さと温もりがあって心地よかった。

 

 

・・・・・・

 

もう1つ心に残ったのは若い女性の作家による作品『希望とはフルーツを売る少女』(絵と文/アムリタ・ダース、『Hope is a Girl Selling Fruit』、2013年)。

インドにおいて女性であることや、女性がクリエイティヴなことをすること、の難しさについて考えさせられた。

インドにおいて、ではなくこれは差異はあれど日本を含めた多くの国や地域において未だにある問い(問題、ではなく)なのだと思う。問い、なので本当はより多くの人で考えていかなければいけないのだ。。。(フェミニズムな意味合いではなく)

 

 

「世界を変える美しい本」という展示タイトル。私にとっては「世界に帰る美しい本」、かもしれない。

<世界>は変わらない。変えられない。そんなこと誰も何も出来はしない。

世界に必要とされ、受け要れられるような、世界にたどり着き、帰り着けるような、そんな何かこそがきっと「美しい」ものなのだろうな。

なんて、夢みたいなことをいつも思ってしまう…。

謙虚に挑戦し続けるしかないのだろうな。

 

 

        
2017.12.31 Sunday

冬 ・ ビルディング

 

 

 

 

 

 

        
2017.12.31 Sunday

INTER MEDIA THEQUE インターメディアテク / 千代田区丸の内

 

 

 

 

東京駅のほど近く、KITTEの二階・三階にある INTER MEDIA THEQUE(インターメディアテク)に行ってきました。

 

大人好みに気の利いたデザインによる展示スペースで、空間や演出がとても洒落ていました。

 

私は命や世界の不思議や奥深さを理解したいと思うだけで、素敵だったり美しかったり特別だったり凄かったりすることに興味があるという訳ではないのだなぁと改めて気づきました。。。

 

 

 

INTER MEDIA THEQUE

 

 

 

        
2017.09.11 Monday

東京スカイツ

 

 

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雷雨の後の東京スカイツリー。

車窓からパシャリ。

 

今回はてっぺん部分は撮れたので「東京スカイツ」。

 

 

 

 

曇り空も素敵だな。

天然フィルターがかかった風景。

気持ちも自然とゆるやかに。。。

 

 

 

京スカイツ(TabulaRasa 2012.08.26)

Tokyo + Sky + Tree = TOKYO SKY TREE (TabulaRasa 2016.05.02)

東京 + タワー= 東京タワー(Tabula Rasa 2017.05.15)

 

 

 

        
2017.06.01 Thursday

ミュシャ展 / 国立新美術館



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「聖アトス山 正教会のヴァティカン」(The Holy Mount Athos The Vatican of Orthodox Church)

<1926年/ 405×480cm>
 


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「ロシアの農奴制廃止」(The Abolition of Serfdom in Russia)

<1914年 610×810cm>

 

撮影可能エリアにて。展示されていた5点のうちの2点。

上は私が撮りたいように撮ってしまった写真。

下は記念として、そのままに撮った写真。

どちらも作品の一部。

 

 

・・・・・・

 

『ミュシャ展』

at. 国立新美術館 (2017.03.08 - 06.05)

 

Alfons Maria Mucha (アルフォンス・マリア・ミュシャ(チェコ語の発音ではムハまたはムッハとなる)1860−1939、オーストリア=ハンガリー帝国領モラヴィア(現チェコ)生まれ)

アール・ヌーヴォーを代表する画家。舞台のポスターや装飾パネルによりフランスで成功を収める。

50歳で故郷に戻り、晩年の約16年間で描かれた作品群が『スラヴ叙事詩』(『Slovanská epopej』、1912-1926年、連作20点)となる。

 

(*データは2017年6月現在のもの。以下も敬称略とさせて頂きます*)

 

 

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ミュシャ展。

この機会を逃す手はないなーと思いつつ、混んでるという噂に かなぁーりひるんでいた。

覚悟をして朝に行ったのだけれどやはり入場1時間待ち。

まず 美術館の、その建物の周りにぐるぐると連なる列をみてクラクラしてしまった。

 

いちばん遠い人は何処から来たのかな。リピーターも多そうだなぁ。。。

なんて、同行の友人達とおしゃべりをしながらだったので気は紛れたけれど…いやはや私にしては頑張りました。

中に入れば、じっくり見ることが出来る程度の人数加減での入場調整がなされていて良かった。

 

『スラヴ抒事詩』を見たいとずっと思っていた。でもまさか日本で見られるなんて。

本来ならばプラハに行ってこそなのだろうけれど、まとめて見ることが出来てよかった。

作品のサイズの大きさとテーマの壮大さと異文化によるカルチャーショックに飲み込まれそうになった。

 

というか飲み込まれてかなりの時間ぼーっと眺めていたようで、同行者をロビーのソファーで待たせてしまいました…。

お腹すいちゃったよね。ごめんね ありがとう。

 


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ミュシャ展とは別の、ひとりごと。

 

ここのところ抽象的な表現に興味があり、そういう作家や作品ばかりに引き寄せられ、そして追い求めている。

<印象>や<衝動>の再現、<概念>の解体。。。

難しいことは全くよくわからないけれど、何かを別の形にしてしまう、そのエネルギーに魅かれるのかもしれない。

簡略化によって<存在>を穏やかに浮かび上がらせる抽象性と、明確化によって<存在>に強く揺さぶりをかけてくる抽象性。

前者にはシンプルミニマルな自己回帰の安心感が感じられ、対峙する労力を求められる後者には自己発見のスリルがある。

 

で。『スラヴ叙事詩』を見ていて民族の歴史(誇り)というそのテーマからふと、ピカソの「ゲルニカ」を思い出した。

史実をテーマとして、あれだけモチーフを解体しまくって、作品を創り出してしまう、というのは相当に<我 ego>が強くなけれは出来ない作業ではないかなぁ。

テーマを自分の中に落とし込んで、何を自分は表現したいのかを問い直して、それに見合った表現方法(技術)で打ち出していく。

その作業の厳しさと、自身のテンションの高さと深さに振り落とされない<我 ego>。

憧れる。

 

ミュシャ展にもどしての、ひとりごと。

 

それにしても。美術館なんてそもそも大人が多く行く場所なのだろうけれど、子供がああいう、大きくて、素晴らしい、本物、をみたら身体と感性に響くとてもよい経験になるのではないかと思う。

訳なんてわからなくて良くて、その時はつまらなくても良くて、でもともかく 子供たちには<本物>を知ってもらいたいなぁ。

未来のために、人は何かを創るのだから。

 

 

マンザナーとチェコ:Manzannar & Czech Republic(Tabula Rasa 2011.08.20)

ジョセフ・クーデルカ プラハ 1968/東京都写真美術館(Tabula Rasa 2011.11.09)

クエイ兄弟 ファントムミュージアム The Quay Brothers PHANTOEM MUSAEUMS (Tabula Rasa 2016.09.03)

 

 

 

        
2017.05.15 Monday

東京 + タワー = 東京タワー

 


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東京タワー。
先のGWに初めて階段での登頂。
気持ち良くて楽しかったので調子にのって下りも階段にしたら
地上に降り立った途端、足がヘニャヘニャのカクカクになりました…。




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レトロポップな東京タワー。

ばいばい またね。



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京スカイツ(TabulaRasa 2012.08.26)

Tokyo + Sky + Tree = TOKYO SKY TREE (TabulaRasa 2016.05.02)
 

 

 

        
2017.02.27 Monday

It's only the end of the world / たかが世界の終わり

 


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『 たかが世界の終わり』(2017年)

原題・・・『 Juste la fin du monde 』(2016年 / カナダ・フランス )
監督*脚本*編集・・・グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)
原作・・・ジャン=リュック ラガルス (Jean=Luc Lagarce)
撮影・・・アンドレ・テュルパン (Andre Turpin)
音楽・・・ガブリエル・ヤレド(Gabriel Yared)
美術・・・コロンブ・ラビ (Colombe Raby)

 

グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan、1989−、カナダ・ケベック州生まれ)

 

主演をし監督デビュー作ともなった『My Mother』(2009年)で広く注目をされ、以降監督として数々の作品を発表し高い評価を受け、役者としても活動をしている。

本作はカンヌ映画祭グランプリ受賞。

 

(*データは2017年2月現在のもの。以下も敬称略とさせていただきます*)

 

 

◆・・・◆・・・◆

 

映画パンフレット。

と、せっかくだから、観に行った日につけていてはずしてテーブルに置いたままにしていたリング、も一緒に。

(使い終わったものは元の場所にすぐに戻しましょう… はーい…)

パンフレットおもての筆記体のぐにゅぐにゅ感が面白かったので逆さにしてパシャリ。

文字なんて、たかが模様 なのだなぁ。

以下、感想でも分析でもない何となくの記録。

 

 

◆・・・◆・・・◆

 

ドランの作品で登場人物たちはいつも何かに気持ちを奪われる。

誰がいようがいまいが、そこがどこであれ何時であれ、簡単に気がそぞろになり、<自分だけの><向こう側の><世界>にスゥッとごく自然と、ひき込まれていってしまう。

そのきっかけはなんて事のないもので、例えば、

風に揺れるカーテンや遠くに轟く雷の音、窓から差し込む陽の光りとそれがつくる影。

誰かの視線と悪意ある言葉。優しい吐息とかすかな物音。

美しい音楽や笑い声、自分自身のモノローグ。

そして、過去の記憶と未来への幻想。。。

繊細であやうく無防備この上ないのだけれど、ドラン作品の私の感想はいつも、真面目でタフ。

 

 

◆・・・◆・・・◆

 

「次の時は大丈夫よ」

作品のエンディング近く。母が主人公を抱きしめて言う言葉。(正確に記憶してはいないのだけど)

大丈夫ではない今と、訪れないであろう次。

けれど母である彼女がそう言うのならば、きっとそうなる気がした。「次の時は 大丈夫」。

 

ここでドランが託した「次」とは、神に赦され終わって消えて新しく生まれた自分、なのかもしれない。

まぁそれさえも たかが幻 なのだろうけれど、生きているとそんな幻に騙されてもみたくなる。

 

 

 

 

        
2017.01.28 Saturday

舘野鴻 画展 / 森岡書店 :銀座


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舘野鴻 画展(Hiroshi Tateno Solo Exhibition)
at. 森岡書店(2017. 1/17 - 1/29)

 

 

鈴木ビル(Suzuki Building)

 

設計は山中節治建築事務所。竣工は1929年(昭和4年)。

名取洋之助(1910年-1962年)が率いた編集プロダクション「日本工房」が事務所を構え、対外宣伝誌『NIPPON』の作成などをしていた時期をもつ。
熊田五郎(千佳慕)、土門拳、山名文夫、亀倉雄策、河野鷹思、光吉夏弥などが参加をする。

 

 

・・・・・・

 

いつか行ってみたいなぁと思いつつも何となく行きそびれていた森岡書店さん。

その建物とその歴史、そして営業スタイルに興味があった。

今回、画展という素敵なきっかけを得てやっと訪ねて行くことに。

 

色々な人や出来事が交差した場所に現代の自分がぼんやりと 虫たちの絵と一緒にいる…。

というのが何だかとても面白くて不思議だった。

 

 


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この場所でのこの展示はとても特別な面白さがあると思う。

熊田千佳慕の弟子である舘野鴻さんの作品を、熊田千佳慕が戦中に職場としていた建物で見る。

展示作品で描かれているのは、いま日本において絶滅危惧にさらされていたり要注意外来種とされている虫たち…。

<一冊>として置かれている既刊の『つちはんみょう』や、併せて在った刊行予定の新作と構想中のラフにも描かれている世界観が重なり、

人智も飲み込む大きな<時>の流れとうねりに思いをめぐらせることとなった。
 

久しぶりの銀座。
穏やかに刺激的な色々を吸収できて楽しかった。

銀座でちゃぶ台を見るというのも愉快だったなぁ。(熊田千佳慕が使っていたという。)


お話をして下さった方々、そして撮影の許可、ありがとうございました。
 

 

 

     しでむし:ぎふちょう / 舘野鴻(Tabula Rasa 2013.10.01)

     つちはんみょう / 舘野鴻 (Tabula Rasa 2016.06.05) 

     宮沢賢治の鳥 / 国松俊英:舘野鴻(TabulaRasa 2017.05.12)

 

   Day Tripper's Beer / 中央区銀座 (Tabula Rasa 2013.03.04)

                                                            

        
2016.09.03 Saturday

クエイ兄弟 ーファントム・ミュージアムー The Quay Brothers PHANTOEM MUSAEUMS

 


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Deer/ Decor(in the center)   Please Sniff "Powdered Deer Ejaculate"

 

クエイ兄弟 −ファントム・ミュージアムー(The Quay Brothers PHANTOEM MUSAEUM)

at. 神奈川県立近代美術館 葉山(2016. 7/23 - 10/10)

 

The Quay Brothers (クエイ兄弟、1947年ー、ペンシルベニア州生まれ)

スティーブン・クエイとティモシー・クエイ(Stephen and Timothy Quay)。一卵性双生児の兄弟である彼等は、ストップモーション・アニメーションなどの映像作品の他に舞台美術なども手掛ける。

 

(*敬称略とさせていただきます*)

 

↑この作品(Deer)のみ撮影許可があったのでパシャリ。

因みに作品はブラックボードの鹿のみで、5本のポールによるガードは作品には含まれてはいない。ボードだけのショットより私の好みのこちらをポストさせていただいた。

 

 

◆・・・◆・・・◆

展示解説にあったのだが、日本において彼等の仕事(Arts)は実は余り紹介をされておらず、主に『ストリート・オブ・クロコダイル』(Street of Crocodiles、1986年)と他のいくつかのアニメーション作品によってのファンや理解が多いそうだ。

私もそのような理解だったので、今回の展示で初めて、ポスターや装丁、ミュージックビデオやCM映像、舞台美術など幅広いジャンルを手掛けていたことを知り興味深かった。

というか、正直勝手に意外だった。もっと<アーティスト>っぽい仕事ぶりなのかと思っていたので、ブラックテイストではありつつもCM映像を多数手掛けたりしていたことを知り、バランス感覚のある職人アーティストなのだと感じた。

 

 

◆・・・◆・・・◆

 

彼等が敬愛するというヤン・シュヴァンクマイエル(Jan Švankmajer、1934年ー、チェコスロバキア・プラハ生まれ)を比べるともなく思い出して見てみると、シュヴァンクマイエルにはどこか牧歌的な要素があり、クエイ兄弟はアート色が強いと感じた。

まぁ、それはその筈で、シュヴァンクマイエルが慣れ親しんだ民話や人形劇もアメリカ人の彼等にとっては異郷の新鮮な文化で、それ等を新たに再現やアレンジをしているのだからそれはもう<アート>だよなぁ…としみじみ。

クエイ兄弟にとってアジアはどう見えているのだろう、とふと思った。

 

展示の最後に年表があり面白かった。

同じ時間軸で左と右に分かれていて、左側にクエイ兄弟の歴史、右側に世界の歴史、が記されていた。

彼等が生まれたのは1947年で、世界の歴史を見てみると重要な歴史(経済)のうねりをたくさん体験してきている。ドイツの統一、ソビエト連邦の崩壊、MTVの登場、ニューヨーク同時多発テロ、リーマンショック…世界のさまざまな浮き沈み。

 

 

◆・・・◆・・・◆

 

彼等は一体これからどんなことをしていきたいのだろう。人やモノがあふれている現代に一体なにをわざわざ創ってどう送り出してゆこうと考えているのだろう。

アートが日常に浸透しているとみるか、モノが世の中に溢れかえっているとみるかは人それぞれ、とは言い難く、明らかに世の中の全てが飽和しているこの現代において、アートの存在価値や新しさって何なのだろう。

ミッション・ドリブンであることがきっと鍵になると思うのだけれど…。でも創作ってあくまでも本当は個人的なものであって欲しい…。なんてことを考えながら展示を後にした。

 

と、なんだか気分が真面目な感じになってしまった展示だった。なぜだろう。年代を追って作品を見たり考えたりしたからかもしれない。80年代ぐらいからアートも経済に飲み込まれていってしまったのだなぁと改めて思ったからだな、きっと。

 

 

 

マンザナーとチェコ:Manzannar & Czech Republic(Tabula Rasa 2011.08.20)

ジョセフ・クーデルカ プラハ 1968/東京都写真美術館(Tabula Rasa 2011.11.09)

ミュシャ展 / 国立新美術館 (Tabula Rasa 2017.06.01)

 

 

        
2016.07.27 Wednesday

神奈川県立近代美術館(閉館):05 / 鎌倉

 


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ざくざくと ただただ 写真をポストしてしまいました。

 

今後 この建物が保存されるのか、解体されるのか、私は知らないのだけれど

この雰囲気はもうこの世界に存在をしないということは確かな事実。

人が通う、人が使う、ということで風景やモノは全く違うものとなる。

そして常に時は進む。

 

雨の日のターナー。夕刻にシーレ。曇り空とメイプルソープ。。。

全てが懐かしい。

 

ありがとうございました。



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神奈川県立近代美術館 / 鎌倉 (Tabura Rasa 2012.04.15 )

 

 

 

        
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