聴くモノ:Music | Tabula Rasa
2016.11.04 Friday

さあ、行かなきゃ Well, I gotta go / 山本耀司

山本耀司
EMIミュージック・ジャパン
(1991-12-11)

 

山本耀司(やまもと ようじ Yohji Yamamoto、1943−、東京生まれ)

 

ファッション・デザイナー。

 

(*敬称略とさせていただきました*)

 

 

◆・・・◆・・・

 

久しぶりに聴いてやはり好きだなと思った。

『Your pain shall be your music.』(1994年)は流し聴きをよくするのだけれど、このアルバムは久しぶり。

宮沢賢治や安西均の詩をこんなにカッコよく歌われてしまうなんてたまらないなぁと思うし、歌詞のほろ苦さとサウンドの優しさのミスマッチが心にくいなぁといつも思う。

 

多分ライヴには4回行ったのではないだろうか。

初めてライヴで音と唄声を聴いたときに驚いたことをよく覚えている。

厳しくてシリアスな雰囲気を何となく想像していたら、はじまって聴こえてきた音と声は暖かくて優しかった。

ああいう裏切られ感はとても素敵な記憶になる。

高田渡さんやちあきなおみさんをナマで聴く機会をもらったことも私の音楽体験の宝物のうちの1つ。

 

あの頃の私に、大人の、男の、音楽の、何がどれくらい解ったのだろう。

と思うけれど でも。 あの頃の私にしか感じられなかったものがきっとあった。

 

そして大人になって、今も男の人は解らないまま。

 

 

 

        
2016.02.15 Monday

2016/02/11@豊洲



Pit-mitsuki.jpg


やっぱりライヴって好きだなぁ。 あー シビレタ!!!


Thank you for your beautiful melodies and cool beats.




Bremen-mitsuki.jpg

TOUR 2016 音楽隊 : 米津玄師 at.豊洲PIT 

 
        
2014.09.19 Friday

ベスト・オブ・フィッシュマンズ / フィッシュマンズ

フィッシュマンズ
ユニバーサル インターナショナル
(2005-04-21)


フィッシュマンズ( 活動期間 1987年ー1999年 )

 

・・・・・・

 

ここ数日、何の前触れもなく突然にフィッシュマンズ祭り。
空気がひんやりとした夜中に聴くと最高のトランス。

 

あの3月の朝のことはよく覚えている。
友人と旅行に行く約束があって
早い時間にアパートを出たのだったなぁ。

新聞受けから朝刊を抜きとって足早に駅に向かうと予定より早くに到着。
朝のがらんとしたプラットホームでベンチに座って電車待ちをしようとして
新聞を開いたら死亡広告が目に入ったのだった。

 

なぜ人は生まれて来るのかな。 というのは、何となくわかる。
なぜ人は死んで行くのかな。  というのは、多分わかりたくないのだ 私は。

 

ずっと勝手に思っているのだけれど、
「ゲスの極み乙女。」に、カッコよく、TightにMeltにカバーして欲しいなぁ。

今の気分は ”あの娘が眠ってる” ”MELODY”

そして、”新しい人” 

<  君は今も今のままだね  >          (MELODY/ Lyric by 佐藤伸治 )



 

        
2013.12.09 Monday

diorama / 米津玄師

米津玄師
BALLOOM
(2012-05-16)


ボーカロイドプロデューサー、ハチが本人名義の米津玄師(よねづけんし Kenshi Yonezu)としてリリースした初アルバム。

全曲のボーカル、ソングライティング、サウンドメイキング、トラックダウン、アートワークも本人が手掛ける。

「恋と病熱」のMVのDVD付き。(BY/南方研究所)

(*敬称略とさせていただきました*)
 

◆・・・◆・・・◆


昨年リリースされたアルバムですが、私にとっては今年出逢ったアルバム。個人的には今年1番聴いて1番大好きだった1枚。
久しぶりにクラクラきて、呆れるほどにヘビィローテーション。
ボカロPのハチさんとしての作品も好きで、MVのイラストや構成も大好き。
どんな漫画を読んだりしてるのかなー。松本大洋とかやっぱり読んでるのかなーとか思ってみたり。。。

聴きはじめは、動画サイトで何となく面白そうだったから観てみたMVがきっかけ。本当に偶然。
米津さんについてもハチという名義についても、ひいてはボカロ(ボーカロイド)についても知識は殆どゼロ、の時だった。
なので、「ボカロ」をキーワードにして色々なものをたぐって行くこととなり、とても面白い体験をすることができた。


初音ミクやGUMIなどについて全くわかっていなかったからまずそれが理解できたし(概要を知ってはいたけれど)、ボカロプロデューサーっていう方々が何者なのかも知らなかったから新鮮だったし、ボカロの曲やMVなどを沢山知ることが出来た。
本当に全くノーマークで興味の無かった世界だったから知れば知るほどともかく面白くてたまらなかった。
自分の志向とは違っていても何かの面白さを知ることは楽しいことだし、自分の価値観を崩して広げてくれるものに出逢えることは無害で有益なスリルがあっていいな。


プロフェッショナルには出来ないことを自在にこなすアマチュア・・・。ボーカロイドはそういう新たなムーヴメントを確立し、そして認知させたのかなーと、今のところは感じている。
聴き手側からしても、メディアの売りや評価なんて余計な介入が無く、創り手からダイレクトにメッセージ(曲やMV)を受け取れる興奮があるから楽しいのだと思う。


ただまぁ、私はもう同時代性を楽しむ年頃は過ぎているからか、人は人・それはそれって感じで・・・(笑)、つまり私にとって音楽を聴く時は<音楽>が第1の基準で、自分の好みには、米津さんが特別、だった。

<神>としての期待や評価なんて軽く飛び越えて、これからも新しい地平をみせて欲しい。
創造においては結局、センスの抜けている物が選ばれるし、情熱の強い人が残りゆくのだと思う。




        
2013.11.10 Sunday

music in me



Gould-mitsuki.jpg 


11月に入って、聴くのはもっぱらクラシック。
ここ数日はピアノソロばかりを選んで聴いている感じ。
クラシックは詳しくないのだけれど・・・というか詳しくないからこそだな、
聴きごたえがあるなぁとしみじみ思う。
とか言って、聴いてるつもりがいつの間にかウトウト〜・・・な時もあるのだけどね。

先週、偶然テレビをつけたら『情熱大陸』がやっていて
真鍋大度(Daito Manabe)さんが取材されていた。
途中から観たのだけれど、とても面白かった。
作品(ショウ)の実物を実際に自分で観てみたい。。。 楽しそう。

特に興味を魅かれたのが番組のラストに取り上げられていたプロジェクト。
聴覚に障害を持つダンサーの方の身体に筋電センサーを装着して、センサーから伝わってくる刺激の<感じ>でダンスをしてもらう、という試み。

すごいなー と思った。
音楽と身体に対する通常の概念を、新しいところへ根こそぎ持っていこうとしているような感じがしたから。
面白いなー と感じた。
<音楽>が音階や音色を引き剥がされて、<音>という名前も取り上げられ、「1」と「0」で整頓された<振動>としてビートやテンポ、強弱にされた時、その<振動>のつながりは果たして<音楽>と呼びうるのかと解らなくなったから。

これが、音の無い世界のダンサーが筋電センサーなしで普通に踊るということだったり、音の在る世界のダンサーが無音の中で筋電センサーをつけて踊る、ということだったら、凄いとは思っただろうけれど、こう強くは魅かれなかった。

聴こえない音を、振動として身体全部で感じて、自分の内側に落とし込み、つなげて、広げて、リズムを見つけ、それを動きに移すという、創造。
本人でさえ聴いたことのない彼だけの音楽を、私たちはダンスとして見る。
それはきっと、音楽と身体、人と人、がつながる瞬間だ。

こういうことこそが コラボレイション というのではないかなぁ なんて思った。

未知なるものを共に創り出し、共に出逢う悦び。

というのは私の勝手な解釈なのだけれど、思い返すだけでも面白くて面白くて、この1週間はこのことばかりが頭をめぐって何となく離れない。
んー。もし、あのプロジェクトが形(test)になったら観てみたいなぁ。。。 





        
2013.08.06 Tuesday

João Gilberto / João Gilberto

ジョアン・ジルベルト,ソニー・カー
ユニバーサル ミュージック クラシック
(2013-06-19)

 
日本でのアルバムタイトルは『三月の水』。
1973年録音。


Vo & Guitar ・・・  João Gilberto
Percussion ・・・ Sony Carr
Vo ・・・ Miucha (On Truck10 )
Produced by ・・・    Wendy Carlos(Walter Carlos)

・・・・・・


ここ数か月、ボサ・ノヴァをよく聴いていて、というかボサ・ノヴァしか聴いていない。
こんなにちゃんとボサ・ノヴァを聴きこむのは今回が初めてで、とても楽しい。
もう少しぐーっと入ってゆければ、ボサ・ノヴァを聴ける耳になれるかもしれないなぁなんて思っている。
それは勿論私の自己満足の範囲でのボサ・ノヴァ耳(今、緊急に命名)であって、
別にボサ・ノヴァ通やボサ・ノヴァ博士になれそうということではまぁーったくありません。まだまだ、畏れ多い。。。
ずっと興味はあったけれどイマイチ入りきれていなかったから、このまま上手く行けるとよいなぁ。

とはいえ、別に何かを思い立ってのボサ・ノヴァ熱ではなくただの何となくで、手持ちのボサ・ノヴァアルバム数枚をあれこれ入れ替えて聴いている程度。
というか、ここ最近となっては結局、ジョアンのこのアルバムだけを聴いているという状態。

・・・・・・


このアルバムは初めて聴いた時からとても魅かれた。
本当は夏ではなくて秋の夜に聞いたりするのが好きなのだけれど、聴き始めると何も出来ずにただ聴き入ってしまう。そして、聴き終えるとまた繰り返しはじめから聴き始めてしまう。。。
9曲目の「E PRESICO PERDOAR(許してあげよう)」がとても好きな曲なのだけれど、それだけを1曲聴きするということは余りないかな。
このアルバムはトータルでの<世界>が素晴らしいからそれを味わいたい感じ。
1曲目のイントロでギターが鳴りはじめるともう嬉しくてドキドキする。


だけれど、何度も聴いているこのアルバムを含めて、ジョアンをヘッドフォンで聴くということは余り無い。
私にとってジョアンの唄声やギターの音は、身体の内側にダイレクトに入って来るような野性感があって、耳元で聴くにはヘヴィなんだなー・・・。
特にこのアルバムは凄く好きだからかな、聴き込んではいるけれどヘッドフォンで聴こうとは全く思わない、思えない。
ジョアンの<個性>が強いからなのだろう。

・・・・・・



今回、このエントリをまとめるにあたってプロデューサーについて調べて、発見が色々あって面白かった。

Wendy Carlos(1939−)。改名前は
Walter Carlos。
シンセサイザー演奏者で作曲も行い、映画「時計仕掛けのオレンジ」「シャイニング」「トロン」などの音楽なども手掛けている。
コロンビア大学に学び作曲で修士号を取得しており、新しい音律や微分音などを試行して、「α・スケール」「β・スケール」「γ・スケール」と名づけられる3つの特殊な調律の音階を考案したらしい。
このアルバムのプロデュースはウェンディからジョアンに申し出て実現をしたというエピソードがあるのだが、もしかしたらジョアンの創るハーモニーにウェンディの音への探求心が共鳴したのかもしれないなどと思った。

ところで、ウェンディが女性名に改名をしたのは何故かというと、性別を変えたからで、当時はまだ余り認知をされていないトランスジェンダーTransgender)。
少し前に、
ウォシャウスキー兄弟(Wachowski)のお兄ちゃんが女性になっていたのにビックリしたばかりだったので、そうかぁ・・・と何だかしみじみ感じ入ってしまった。
キリスト教圏においては日本とはまた違う意味を持つというか、投げかける<表明>なのだろう。
自分自身として生きる自由と権利、への強い意志を感じて考えさせられてしまった。


と、アルバムの音楽とは全く離れた話になってしまったけれど、私の感受性はこんな感じに広がって逸れてゆくことが多い。
創造物は創った人の人柄とはベツモノだと思っているけれど、それを創った社会(時代)と分けて考えることは出来ないと思っているから、何か色々とすぐに他とつながってしまうのよね・・・。寄り道ばかりで困ったものだ。

なので、ボサ・ノヴァ耳が出来たらボサ・ノヴァの歴史が知りたくなるだろうなぁ。
と、まとめたところでちょうど9曲目が流れはじめた。
んー・・・やっぱりこのアルバムは素敵だな。。。



        
2013.04.25 Thursday

In My Own Time / Karen Dalton

カレン・ダルトン
LIGHT IN THE ATTIC/OCTAVE-LAB
(2007-04-21)



カレン・ダルトンのセカンドアルバム。
オリジナルのリリースは1971年。
2006年に初CD化。
2007年に未発表のボーナス・トラック収録盤がリリース。
カレンはボーカルの他、12弦ギターとロングネックのバンジョーを演奏している。

・・・・

寒くなってきたぞー!…と思う時節から聴く回数が増えるアルバムのうちの1枚。
例年でいえば4月いっぱいはよく聴く感じ。
なので、そろそろちょっとお休み期間に入るかな(笑)。

珈琲や紅茶よりも、スパイスが効いたチャイとかを飲みながら聴きたいと思ってしまうのは多分、
このアルバムがリリースされた頃のヒッピー志向が伝わってくるからではないかと思う。
1曲目の出だしの雰囲気がヴェルヴェッツっぽいのだけれどそれは出だしだけの印象で、
ヴェルベッツのような近寄りがたさはなく、カントリー、トラディッショナル、フォーク、ブルーズ・・・に込められた人の温かみが感じられる1枚。
ジャケットの写真がまた魅力的で、モノの配置や空や道の余白が絶妙にニクいベストバランス。

・・・・
カレン・ダルトンについては調べても余りデータはない。

ヒットするデータは出典までにたどり着けないものが多く、
その内容も伝説的というかステレオタイプというか・・・。

私としては、彼女が音楽を始めたきっかけやどんな音楽が好きだったのか、などの音楽的ルーツが一番興味があるのだけれど、

そういう内面に深く入った情報にはイマイチ出会えなかった。
もっと手間暇をちゃんとかければ違うかもしれないけれど。。。

(ボブ・ディランとセッションをしている写真などはあるのだけれど、そういう資料的な感じでは無くて・・・・。)


で、少ないデータをザッと拾い集めてみると。。。
1937年オクラホマ生まれ、母方からチェロキーの血を汲んでいたらしい。
1968年にファースト・アルバム、翌年にこのアルバムをリリースしているが
人前で唄うことや録音をすることを余り好まなかったらしい。
アルコールとそしてドラッグを手にしてしまったらしく、
結局このセカンドアルバム以降の音楽活動についてはわからない。

2度の結婚をし子供ももうけたらしいが2度とも破局に終わり、1993年に55歳で亡くなったそうだ。


その人生の終わりについては、貧困のなかエイズの闘病後に路上で逝去した・・・と暫くの間伝えられていたのだけれど、最期の頃はギタリストのPeter Walkerの元に身を寄せていた、というのが本当らしい。
伝説ってそれっぽいけど実はいい加減だなーなんて笑ってしまうし、何よりも寂し過ぎる最期ではなくて良かったなーなんて勝手に安心してしまった。


・・・・

ボブ・ディランが自身の自伝(『Chronicles,Volume One』)において彼女のことを「ビリー・ホリディのように歌いジミー・リードのようにギターをひく」と言っているのだけれど・・・。
んー、私にはビリー・ホリディと結びつけられなかった。
まず、ビリー・ホリデイはなんというか、
「その存在の全てが<ビリー・ホリデイ>」というようなイメージが私には多分あって、
歌声だけをとりだして彼女を考えることが出来ないのかもしれない。


同じく、ニーナ・シモンの唄声に似ていると言われてもいるのだけれど、
やはりニーナ・シモンも私にとっては「ニーナ・シモン」という不動のイメージがあって、
これまた今いちピンとこないのだなぁ。。。

ただ、ビリー・ホリディにもニーナ・シモンにもある、
<聴く人の心を揺さぶるドライな感傷>、みたいなものを感じるのは通じている気がする。


・・・・


実は私は別のある人をなぜか直ぐに連想してしまった。


私が連想したのは、ユタ・ヒップ(Jutta Hipp, 1925-2003)。

といっても、ユタ・ヒップはジャズのピアニストでボーカリストではない。
ので、あくまでも私だけの連想でしかありませんねー。

きっと余り賛同を得られないのではないかなー。。。(笑)




連想のキーワードは、
「僅かな作品」+「無骨で繊細」+「女性ミュージシャン」。
この場合、「無骨で繊細」というキーワードが私にとってとても重要。

無骨で繊細、ウェットでドライ、男性的で女性的、シンプルで複雑、危なげに熟成。。。

そういう<相反した魅力>がカレン・ダルトンの魅力なのだと思う。


・・・・


例えばこのアルバムのように、
細くではあるけれど長く、ずっと残り続けるモノというのがあって、そういうのって面白いなぁと思う。
結局<個性>というものは、メインに属しているかでも、スペシャルに秀でているかでもなく、
オウンに根差しているかでその真価が問われるのかもしれない。

人の身体で一番最後まで機能するのは聴覚だと聞いたことがある。
さすらいの果てに逝ったという彼女の身体には最期にどんな音が聴こえていたのだろう。

安らぎと自由の音であって欲しいと、時を超えた空の下から願う。




 
        
2012.12.06 Thursday

LIBRO DE CABECERA en tardes de café / YUSA

ジューサ
ヤマハミュージックアンドビジュアルズ
(2012-04-25)

 
日本版では「ピロウ・ブック」というアルバム・タイトル。
キューバの女性ミュージシャン、ジューサの5作目で初のカヴァー曲集。

オマーラ・プルトゥオンド(Omara Portuondo)、テルマリー・ディアス(Telmary Diaz)・・・など多数のゲストミュージシャンが参加。


・◆・・


ジューサはファースト・アルバム『YUSA』(2002年)がリリースされた時に、友人から「好きそうなのがあったよー」とCDショップの試聴コーナーに連れて行かれて、まんまとその場で購入した思い出があります(笑)。
彼女のヴォーカルとベースはとてもカッコいいんだなー、これがまた。艶やかだけどさっぱりしていて、聴いていて気持ちが良い。

このアルバムの中ではバカラックの名曲「「close to you」(1963年)のカヴァーがともかく大好き。こればかりをずっとエンドレスでリピートしてしまう日もあるくらい。
ジューサはこの曲ではヴォーカルとトレス(tres)というキューバの3弦楽器を演奏している。
他にもかなりたくさんのアーティストによってカヴァーされているかと思うが、このヴァージョンが私にとってはカーペンターズと並んでダントツのNO.1カヴァー。
(ダントツと言い切るくせにNO.1を2つ挙げているところに私の優柔不断さがでてます、ハイ。。。)

ジューサのカヴァーがありきたりのコピーになったりあきらかにベツモノになってしまったりしていないのはオリジナルへの愛とリスペクト、そしてミュージシャンとしてのテクニックとチャレンジ精神からだろうか。
こういうのがカヴァーの醍醐味じゃないかなーって思うくらいに、オリジナルとは違うけれど変えてない世界が出来上がっていて、オリジナルの輝きを更に引き出している。
出だしからしてビックリで初めて聴いたときはとてもドキドキした。2分40秒が本当にあっという間。

カーペンターズなどの多くのカヴァーは遠くから見つめる優しさや切なさを感じるけれど、このジューサのカヴァーは、もう周りから見ていて恥ずかしくなってしまうくらいにメチャクチャ至近距離で見つめあう2人が歌っているかのような感じがする。(歌っているのは3人でだったりするのだけれど…)
どんなに近くにいても愛し合っていてもまだもっと近くにいたい、この人と溶け合って1つになってしまいたい…という幸せな狂おしさが伝わってくる。(この曲はジューサの公私におけるパートナーのパウラ・リベーラに捧げられている。)


・◆・・


ところで、このアルバムはカヴァー曲集なのだけれど、私がオリジナルをちゃんと知っているのは10曲中の2曲。しかも「Maria(you were the only one)」(Jackson5、1972年)と「close to you」という、要は英語で歌われている英語圏の曲だけ。
自分の趣味の偏りを実感してしまった。

とはいえ、歌詞のある音楽においてはなんとなーくでもその言葉がわかっていないと、好きな曲以外はどれも同じように思えてきてしまって、どうしても流すだけで聴いてはいない状態になってしまうような気がする。
でもそれって、聴く音楽の範囲を狭めているのだよなー… なんて今回改めて気づいた。
もうちょっと気持ちを柔らかく、もうちょっと意識を自由にしてみれば、
んー。。。私にもまだもっと聴けるのではないかなー…。

せっかくならば、もっと沢山の音楽を知りたいなぁ。しかも出来ればなるべく深く。
だってやっぱり<違うもの>に出逢うのはスリリングで、それと溶け合えることはとても幸せなことだからね。




        
2012.02.24 Friday

LUCK / ACO

ACO
BounDEE by SSNW
(2012-01-18)


「irony」以来9年ぶりのフル・アルバム。
ジャケットおよびブックレット写真は yoko-ishikawa 。
全曲作詞作曲、およびプロデュースは ACO 。
2012年1月リリース。

(*以下も敬称略とさせていただきます*)


・・・・・・・・・


新作がリリースされていたことを全く知りませんでした。
またあと2年ぐらい待つかなぁなんて呑気に思っていたので。
先日、久しぶりにCDショップに行きふーらふら当てもなく散策をしていたら見たことのないジャケットを発見。
びっくりして思わず「うア!」と、変な低音をあげてしまいました。。。
周りに人がいなくて良かったです(笑)。


ジャケットは、モノクロというかシルバーがかったグレーというような感じの色で、けだるそうな余白がいい感じ。アルバムタイトルがアルファベット大文字4つ、細めでシンプルな書体がちょっと不安定な間隔もって配置されていて雰囲気をだしている。

聴いた第一印象は「格好いいなぁ」。
メロディアスなものを無意識ながらも予想して聴きはじめたら、グランジっぽかったりアシッドジャズっぽかったりと、がっしりゴツゴツ、たわんで攻めてる作りだった。
(アルバム情報を全く入手していないからコンセプトとは外れた聴き方かもしれません・・・。)

フェイドアウトにより終わる曲がないことに淡々としたライヴ感を感じた。
ブツッとカットアウトされた終わり方ではなくて、1曲ずつすっと<おしまい>にして終えるような、穏やかで真剣な印象。

テンションはロウファイでアクションがエクスペリメンタル。な感じが、やっぱり好きだなぁ。。。

それぞれの曲が独立していながらもアルバム1枚でゆったりとまとまっているのは、Bassが全体のトーンを創り上げて繋げているからかな。Bassの存在が心に残った。

詞も、やはり素敵。
<わたし>や<あなた>を唄うだけではなく、更に<君>を唄うその広がりに、人が歳を重ねることによって変わってゆく立ち位置の変化をごく自然に感じた。
<僕>と唄うのも蒼い格好つかなさが出ていて良い感じ。

どの曲も好きなのだけれど、ラストの曲が面白かった。
面白いというのは、<それ>っぽく唄えばポジティヴで力強い<ゴスペル>な曲なのだけれど、ACOの唄声と唄い方で歌うと、しみこむ様な<モノローグ>となっていたからだ。
教会のステンドグラスの光のような、綺麗なカタルシス。



 
        
2012.02.06 Monday

Rhythm of Life / James Mason

James Mason
Soul Brother
(2006-10-26)

 

Roy Ayersのアルバムにギター、キーボードで参加をしたりもしているJames Masonのソロ名義アルバム。
オリジナルは1977年リリース。

ざっと参加ミュージシャンを以下に…。(曲によっての参加不参加あり)

Gene Torres ・・・  Bass
Mustafa Khaliq Ahmed ・・・ Congo Drums
Narada Michael Walden ・・・ Drums
Dwayne Perdue ・・・Drums
Justo Almario ・・・Saxophone
Philip Woo ・・・ Acoustic Piano
Mbewe Ninoska Escobar ・・・ co-author,Backing Vocals
Clarice Taylor ・・・ Lead Vocals

◆・・・◆・・・◆


音楽を聴いて気持ちよくなりたいと思うときに手に取る1枚。
格好よくて気持ちよくて、そして何となく優しい雰囲気のあるアルバムだと思う。
個人的にはナイト・クルージングのベスト・パートナー。(ジョギング向きではないかな。)

最初の曲のイントロ部分が長いのでインストアルバムかなーなんて思うのだけれど、4曲目以外には全て女性ヴォーカルが入っている。
明るいジャズファンク、ソフトなソウル、ディスコサウンドっぽいフュージョン…と、聴く人の好みによって捕らえる側面は違うのではないかと思われるような柔軟でしなやかなつくり。
見た限りでは内容がイマイチよくわからない感じの、ゆるーく平和なジャケットがまたいい感じで、、聴き終わってみるとアルバムの雰囲気がとても素敵に現れているなーと思ってしまうから不思議。

このアルバムはクラブで使われたり、CD音源化されたのが遅かったりということもあってか、レコードでの取引価格が確かすンごく高値だったと思う。(例えば、Marcos Valle の「GARRA」とかもそうだったように。)
あらかじめぶら下げられた付加価値や、正体不明の安値やらで、今そこにあるモノのごく単純な意味での価値なんてもうわかりませんねー。・・・シンプルな等価交換はもうありえないのかな・・・はてさて。

◆・・・◆・・・◆

Defanctなどにも参加をしているClarice Taylorのヴォーカルがいい感じにハマッている。
パンチの効いた歌い上げる様な感じではなく、しっとりと包み込むような母性溢れる感じでもなく、そのどちらもの良さがある、なんというか・・・女性らしさのあるポジティヴで上品な唄い方をする人で、古いジャズナンバーなんて唄ってもきっと似合うのではないかと思う。・・・もちろん私の勝手な思いつきですが。

パーカッションのしなりある感じや、ベースのベキベキと食い込んでくる感じのキレの良さ、キーボードやギターの明るい滑らかさ、などがまた心地よいんだなぁ・・・。
こういう<Groovy>な感じは、感性から創り出すものではなくて、単純に、楽器を操る筋力や歌を唄う声帯などの「身体」から自然と生まれ出た結果としてのものなのではないかと思うのだけれど、どうなのかな。

そして、参加アーティスト名をざっと見て思うのは、出生ルーツが何系かなと思うような名前が並んでいて面白いな、と。
背負っている感性のルーツのクロスオーバーさ、もしくはアイデンティティのミックス感、がケミストリーを呼んで、このアルバムの<Rhythm>を生み出したのではないかな、というのが私の勝手な想像。
個人的な感想なのだけれど、私のこのアルバムが好きな理由は、キメキメに走ってキマッテいるところではなくて、ゆるゆると泳ぐように気持ちの良いところ、かな。

因みに、キメキメに決まっているのは、このアルバムと同じ年に公開された映画「Saturday Night Fever」(監督は John Badham)で使われてディスコサウンドの大ブームを巻き起こしたBee Geesが代表でしょうか、やはり。
映画のサウンドトラックは79年のグラミー賞を受賞もしている。

映画は、白いスーツを着て決まったポーズをしているトラボルタで有名ですよね。
けれど実際に観てみるとあの決めポーズのイメージとは違う、終わりに何ともいえない切なさが残る作品で、青春の輝きと人生のほろ苦さは今も昔も同じなのだなぁと、初めて観たときに虚をつかれて不思議な気持ちがした記憶がある。

このアルバムも、初めて聴いたときに虚をつかれたような不思議な気持ちになったのだけれど、何故だったのかな。緩やかな滑らかさと確かに野心的な感じが共存していて意外だったのかもしれない。
イメージを超えてはっとさせられるのは気持ちよいな。




        
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